【数的処理の基本6】かっこを含む計算

数的処理


苦手な人が多い「かっこがある計算」を0から解説します。今回は文字を含まず整数のみの式ですが、文字とかっこを含む計算が苦手な人も、ぜひここから理解していきましょう!
(ここを飛ばしていきなり文字式の解説を読むとただの丸暗記になり、本番で必ずミスします)

このような方に役立つ記事です。

  • かっこの使い方がわからない
  • \(15\div(9-6)+4\)のような計算で必ず解答と合わない
  • 算数や数学が苦手

かっこが必要な場面

  1. 符号が2つ重なってしまうとき
  2. 四則混合算で先に足し算と引き算を計算したいとき

文字を含む計算でもこの2つがベースにあるので、覚えておけばスムーズに理解できます。
このサイトを最初から読んでくださっていると、どちらも「なるほど!」と思ったかもしれません。
1つめは  負の足し算・引き算  負のかけ算・割り算
2つめは  四則混合の計算
に関連しています。

符号が重なってしまうときのかっこの使い方

いきなりですが問題です。
【問題1】「7に-8を足す」を式にして、解答も出してください。
【問題2】「9から-4を引く」を式にして、解答も出してください。

やってみましょう。

【問題1】について
\(7+-8\) …?
プラスとマイナスが重なってしまっていますね。
算数や数学では、四則計算の記号(+、-、×、÷)は重ねて表すことはありません。
このような場合に便利なのが かっこ です。
マイナスのついた数字はかっこをつけて、
\(7+(-8)\)と表します。
これは\(7-8\)と同じことなので、答えは-1となります。
\(7+(-8)=-1\)

亜子先生
亜子先生

なお、このかっこは四則計算の記号が重ならないようにすることが目的なので、
式の最初にマイナスの数字がくる場合(【例】\((-4)-9\))はかっこはあってもなくてもどっちでもOKです。
つまり、
\((-4)-9\)
\(-4-9\)
どっちも正解です。

【問題2】についても、
\(9- -4\) だと見づらすぎるので、
\(9-(-4)\)と表します。
「マイナスの数字を引く」は「足す」と同じと考えるので、\(9+4\)と同じ計算をすればOKです。
\(9-(-4)=13\)

足し算・引き算を先に計算したいときのかっこの使い方


四則混合式(+、-、×、÷ が混ざった計算)のときは、かけ算と割り算から計算し、足し算と引き算はその後に計算するというルールがあるんでしたね。

【数的処理の基本3】足し算・引き算・かけ算・割り算の混合 
+ー×÷が混じった複雑な計算に苦戦していませんか?ルールを覚えれば驚くほど簡単です。問題集が理解できない、予備校の集団授業についていけないのは、基礎が抜けているから。段階を踏めば必ず過去問レベルも解けます。元官僚が公務員試験の合格をサポートします。

しかし、ときには足し算や引き算から計算したいということもあります。
足し算と引き算から計算したい場合に( )をつけておくと、先に計算することができます。
「え?そんな順番が変わるだけで答え変わるの?」と思ったそこのあなた。
わかりやすいように、かっこがない場合とある場合で比較してみましょう。

【問題3】\(100+20\times3\)
【問題4】\((100+20)\times3\)

【問題3】
足し算とかけ算が混合しているので、かけ算から計算します。

\begin{array}{l}
&100+20\times3\\
=&100+60\\
=&160
\end{array}

【問題4】
かっこがついている足し算から計算します。

\begin{array}{l}
&(100+20)\times3\\
=&120\times3\\
=&360
\end{array}


びっくり!足し算を先に計算するか後に計算するかで、答えは変わります。

亜子先生
亜子先生

なお、このかっこは本来なら後に計算する足し算・引き算から先に計算することが目的なので、
どのみち先に計算するかけ算・割り算には通常付けません。(付けても答えは変わりません。)
つまり
\(100+20\times3=160\)
\(100+(20\times3)=160\)
答えは同じになります。

【応用編】かっこをさらにかっこでくくる?中かっこ{ }の使い方

こんな式に困っている人はいませんか?
\(50\div\{5+(12−7)\times4\}\)
一気に複雑になりましたが、このような計算は( )→{ } の順に計算すればOKです。

手順1
まず( )の中から計算します。
\(12−7=5\)

\begin{array}{l}
&50\div\{5+(12−7)\times4\}\\
=&50\div\{5+5\times4\}\\
\end{array}

手順2
次に{ }の中を計算します。
この中にはかけ算と足し算が混合しているので、かけ算から計算します。
\(5\times4=20\)

\begin{array}{l}
&50\div\{5+(12−7)\times4\}\\
=&50\div\{5+5\times4\}\\
=&50\div\{5+20\}
\end{array}

手順3
さらに{ }の中を計算します。
\(5+20=25\)

\begin{array}{l}
&50\div\{5+(12−7)\times4\}\\
=&50\div\{5+5\times4\}\\
=&50\div\{5+20\}\\
=&50\div25
\end{array}

手順4
かっこが全て外れました。
最後の計算です。
\(50\div25=2\)

\begin{array}{l}
&50\div\{5+(12−7)\times4\}\\
=&50\div\{5+5\times4\}\\
=&50\div\{5+20\}\\
=&50\div25\\
=&2
\end{array}

練習問題

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