- 小数を含む計算のやり方があやふや
- 答え合わせすると小数点の位置がズレてることが多い
- その場ではやり方を覚えても、次できない
こんな方はこの記事で合格に一歩近づきます。
小数の計算が苦手な方は、小数のイメージが全く持てていなくて何度も同じ間違いをすることが多いです。計算のやり方の前にこの記事を読むとイメージがつかめてやりやすくなりますよ!
小数の足し算
小数の足し算で大事なことは1つだけ。
小数点の位置をそろえること!
では例題いってみましょう!
【例題1】\(7.4+4.8\)
手順1
小数点の位置をそろえて縦に書きます。
\begin{array}{rrrr}
&&7.&4\\
+\large{)}&&4.&8\\
\hline
\end{array}
手順2
整数の足し算と同じように筆算したあと、
最後に小数点をそのまま下に下ろします。
\(7.4+4.8=12.2\) ですね。
整数の足し算があやふやだった方は復習を。
\begin{array}{rrrr}
&&\scriptsize{1}&\\
&&7.&4\\
+\large{)}&&4.&8\\
\hline
&1&2.&2
\end{array}
小数の引き算
小数の引き算で大事なことは、
小数点の位置をそろえること!
足し算と同じですね。ではさっそく例題です。
【例題2】\(14.3-4.9\)
手順1
小数点をそろえて縦に書きます。
\begin{array}{rrrr}
&1&4.&3\\
-\large{)}&&4.&9\\
\hline
\end{array}
手順2
繰り下がりに注意して整数の引き算と同じように計算し、最後に小数点をそのまま下ろします。
整数の引き算を忘れてしまっていた方は復習してね。
\begin{array}{rrrr}
&\scriptsize{0}&\scriptsize{3}&\\
&\require{cancel}\cancel{1}&\cancel{4}.&3\\
-\large{)}&&4.&9\\
\hline
&&9.&4
\end{array}
小数のかけ算
筆算がいらない(小数)×10
【例題3】\(8.94\times10\)
このような(小数)×10 の計算は、小数点を1つ右にずらした89.4が答えです。
かけ算はどの順番からやっても答えは同じになるので、10×(小数)の場合も同様です。
ちなみに、(小数)×100の場合はどうなるか分かりますか?
\(100\times2.5\) のような式です。小数点は右に2つ移動して、250が正解です。
かけ算では、×10、
このような(小数)×10 の計算は、小数点を1つ右にずらした89.4が答えです。
かけ算はどの順番からやっても答えは同じになるので、10×(小数)の場合も同様です。
ちなみに、(小数)×100の場合はどうなるか分かりますか?
\(100\times2.5\) のような式です。小数点は右に2つ移動して、250が正解です。
かけ算では、×10、×100、×1000、と0が1つ増えるたびに右移動が1つ増えるイメージです。
「小数点が右に2つ移動している」というのが分かりづらかった方。
250にあえて小数点をつけると、250.0 となります。2.5のときよりも小数点が右に2つ移動していますね。
小数のかけ算の筆算
かけ算の筆算では、大事なことは1つ。
最後に小数点の移動を忘れないこと
では実際に例題を解いていきましょう。必ず一緒に書いてやってみてね。
【例題4】\(3.7\times9.2\)
手順1
小数点の位置はずれていても大丈夫なので、
全体が右揃えになるように縦に書きます。
(この問題は右揃えにしても小数点の位置が合いますね。)
\begin{array}{rrrr}
&&&3.&7\\
\times\large{)}&&&9.&2\\
\hline
\end{array}
手順2
特に小数点は意識せず、かけ算の筆算をします。
つまり、\(37\times92\)の筆算ですね。
\(37\times92=3404\)です。
整数のかけ算があやふやだった方はしっかり復習を。
\begin{array}{rrrr}
&&&3.&7\\
\times\large{)}&&&9.&2\\
\hline
&&&7^1&4\\
&3&3^6&3&\\
\hline
&3&4^1&0&4\\
\end{array}
手順3
整数のかけ算ならここで終了ですが、今回は小数のかけ算。小さき悪魔、小数点の存在を忘れてはいけません。
37というのは3.7の小数点が右に1つ、
92というのは9.2の小数点が右に1つ移動したものですね。
合わせて右に2つ移動したまま計算してしまっているので、3404は小数点を左に2つ戻してあげる必要があります。
\(3.7\times9.2=34.04\) が正解です。
\begin{array}{rrrr}
&&&3.&7\\
\times\large{)}&&&9.&2\\
\hline
&&&7^1&4\\
&3&3^6&3&\\
\hline
&3&4^1.&0&4\\
\end{array}
小数の割り算
筆算がいらない(小数)÷10
【例題5】\(8.6\div10\)
このような(小数)÷10 の計算は、小数点を1つ左にずらした0.86が答えです。
割り算は、かけ算と違って順番を変えると答えが違ってくるので、\(10\div8.6\)のような場合はこのあとやる筆算が必要です。
ちなみに、(小数)÷100の場合はどうなるか分かりますか?
\(0.4\div100\) のような式です。小数点は左に2つ移動して、0.004が正解です。
移動させた小数点の左側に何も数字がないときは0を書きます。
割り算では、÷10、÷100、÷1000、と0が1つ増えるたびに左移動が1つ増えるイメージです。
小数の割り算の筆算
大事なことは2つ。
- \(A \div B \) のBが小数の時は、最初に小数点の移動を忘れないこと
- 最後に小数点を必ず書くこと
難しいのでさっそく3つのパターンに分けて例題にいきましょう。だんだんレベルが上がっていくので、これも必ず自分で書いてやってみてね。
【例題6】\(67.2\div12\)
手順1
\(A \div B \) のB(12)は小数ではありませんね。なので、特に最初に小数点を移動させる必要はありません。
67.2と12の配置に気をつけて、筆算の形にします。
\begin{array}{r}
1 \quad 2 \quad \require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 6 \quad 7. \quad 2}
\end{array}
手順2
特に小数点は意識せず、割り算の筆算をします。
つまり、\(672\div12\)の筆算ですね。
\(672\div12=56\)です。
整数の割り算が不安な方はこちらの記事へ。
\begin{array}{r}
5 \quad 6\\
1 \quad 2 \quad
\require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 6 \quad 7. \quad 2}\\
\underline{ \quad 6^1 \quad 0 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 7 \quad 2\\
\underline{\quad 7^1 \quad 2}\\
0
\end{array}
手順3
最後に忘れずに小数点をそのまま上に持ってきます。
\begin{array}{r}
5. \quad 6\\
1 \quad 2 \quad
\require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 6 \quad 7. \quad 2}\\
\underline{ \quad 6^1 \quad 0 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 7 \quad 2\\
\underline{\quad 7^1 \quad 2}\\
0
\end{array}
【例題5】\(55.68\div17.4\)
手順1
今度は \(A \div B \) のB(17.4)が小数なので、最初に小数点を移動させる必要があります。
17.4の小数点を10倍して(小数点を右へずらして)、整数である174に変えます。
同時に必ず55.68も10倍して556.8に変えます。
556.8と174の配置に気をつけて、筆算の形にします。
\begin{array}{r}
1 \quad 7 \quad 4 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 5 \quad 6. \quad 8}
\end{array}
手順2
これで先ほどやった小数の割り算の筆算と同様です。復習をかねてやってみましょう。
\(55.68\div17.4=3.2\) となれば正解です。
\begin{array}{r}
3. \quad 2\\
1 \quad 7 \quad 4 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 5 \quad 6. \quad 8}\\
\underline{ \quad 5^2 \quad 2^1 \quad 2 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 3 \quad 4 \quad 8\\
\underline{\quad 3^1 \quad 4 \quad 8}\\
0
\end{array}
【例題6】\(56\div44.8\)
手順1
\(A \div B \) のB(44.8)が小数なので、最初に小数点を移動させる必要があります。
44.8の小数点を10倍して448に変えます。
同時に必ず56も10倍して560に変えます。
560と448の配置に気をつけて、筆算の形にします。後で必要になるので、560のあとの小数点も忘れずに書きます。
\begin{array}{r}
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0.}
\end{array}
手順2
割り算の筆算の手順に従って解いていきます。
今までの知識だと、ここで止まってしまいますね。
余りが112となって止まります。
でも、今や私たちは「小数」という知識を手に入れたので、答えが1.○ という小数になっても何も怖くありません。ここからは、新しい知識になりますが、引き続き進めていきましょう。
\begin{array}{r}
1. \\
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0.}\\
\underline{ \quad 4 \quad 4 \quad 8\\}\\
\quad 1 \quad 1 \quad 2\\
\end{array}
手順3
割り算の答えを「商(しょう)」といいます。
「商は、数字の上にしか書くことができない」という決まりがあります。今書いてある商の1は、560の0の上に書かれていますね。今までの割り算でも必ず商の下には数字があるはずです。
1.〜のあとに商を書きたいですが、その下に数字がありません。こういうときは、560. のうしろに新たに0を足します。
同時に、その0を112の横にそのまま下ろします。
\begin{array}{r}
1. \quad \phantom{0}\\
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0. \quad 0}\\
\underline{ \quad 4 \quad 4 \quad 8 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 1 \quad 1 \quad 2 \quad 0\\
\end{array}
手順4
新しく追加した0の上に商を書いていきます。
今まで通り進めていきます。
\begin{array}{r}
1. \quad 2\\
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0. \quad 0}\\
\underline{ \quad 4 \quad 4 \quad 8 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 1 \quad 1 \quad 2 \quad 0\\
\underline{ \quad 8 \quad 9^1 \quad 6}\\
\quad2\quad2\quad4\\
\end{array}
手順5
また新しく商が必要になったので、まずその下に0を追加してから商を書きます。
余りがなくなりました。
\(56\div44.8=1.25\)が正解です。
\begin{array}{r}
1. \quad 2 \quad 5\\
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0. \quad 0 \quad 0}\\
\underline{ \quad 4 \quad 4 \quad 8 \quad \phantom{0} \quad \phantom{0}\\}\\
\quad1\quad1\quad2\quad0\quad \phantom{0}\\
\underline{ \quad 8 \quad 9^1 \quad 6 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad2\quad2\quad4\quad0\\
\underline{\quad2\quad2^2\quad4^4\quad0}\\
0
\end{array}
今回は割り切れる割り算でしたが、小数点以下の割り算をいくら進めていっても永遠に余りが0にならないこともあります。\(4\div3\)などがそうです。やってみてね。
こういう計算は、このあと解説する分数を使って解決できます。
To be continue…
間違いやすいポイント
- 小数点を書き忘れる、位置を間違える
- かけ算で、最後の小数点の移動を忘れる、間違える
- 割り算で、\(A \div B \) のBが小数だった場合の小数点の移動を忘れる
- 割り算の商を、下に数字がない状態で書いている
練習問題
間違えやすいポイントを特に意識してやってみましょう!
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