【数的処理の基本8】小数の計算

数的処理
  • 小数を含む計算のやり方があやふや
  • 答え合わせすると小数点の位置がズレてることが多い
  • その場ではやり方を覚えても、次できない

こんな方はこの記事で合格に一歩近づきます。
小数の計算が苦手な方は、小数のイメージが全く持てていなくて何度も同じ間違いをすることが多いです。計算のやり方の前にこの記事を読むとイメージがつかめてやりやすくなりますよ!

【数的処理の基本7】小数の基本を0から解説。
小数とは「1に満たないハンパな数」。小数の表し方と大小関係を図や練習問題で完璧に。小数の計算が苦手な方、方程式は解けても文章から式を作れない方はここで解決しましょう。どんな参考書、授業よりも基礎からわかりやすく解説しています。

小数の足し算

小数の足し算で大事なことは1つだけ。

小数点の位置をそろえること!

では例題いってみましょう!

【例題1】\(7.4+4.8\)

手順1
小数点の位置をそろえて縦に書きます。

\begin{array}{rrrr}
&&7.&4\\
+\large{)}&&4.&8\\
\hline
\end{array}

手順2
整数の足し算と同じように筆算したあと、
最後に小数点をそのまま下に下ろします。
\(7.4+4.8=12.2\) ですね。

整数の足し算があやふやだった方は復習を。

\begin{array}{rrrr}
&&\scriptsize{1}&\\
&&7.&4\\
+\large{)}&&4.&8\\
\hline
&1&2.&2
\end{array}

小数の引き算

小数の引き算で大事なことは、

小数点の位置をそろえること!

足し算と同じですね。ではさっそく例題です。

【例題2】\(14.3-4.9\)

手順1
小数点をそろえて縦に書きます。

\begin{array}{rrrr}
&1&4.&3\\
-\large{)}&&4.&9\\
\hline
\end{array}

手順2
繰り下がりに注意して整数の引き算と同じように計算し、最後に小数点をそのまま下ろします。

整数の引き算を忘れてしまっていた方は復習してね。

\begin{array}{rrrr}
&\scriptsize{0}&\scriptsize{3}&\\
&\require{cancel}\cancel{1}&\cancel{4}.&3\\
-\large{)}&&4.&9\\
\hline
&&9.&4
\end{array}

小数のかけ算

筆算がいらない(小数)×10

【例題3】\(8.94\times10\)

このような(小数)×10 の計算は、小数点を1つ右にずらした89.4が答えです。
かけ算はどの順番からやっても答えは同じになるので、10×(小数)の場合も同様です。

ちなみに、(小数)×100の場合はどうなるか分かりますか?
\(100\times2.5\) のような式です。小数点は右に2つ移動して、250が正解です。

かけ算では、×10、

このような(小数)×10 の計算は、小数点を1つ右にずらした89.4が答えです。
かけ算はどの順番からやっても答えは同じになるので、10×(小数)の場合も同様です。

ちなみに、(小数)×100の場合はどうなるか分かりますか?
\(100\times2.5\) のような式です。小数点は右に2つ移動して、250が正解です。

かけ算では、×10、×100、×1000、と0が1つ増えるたびに右移動が1つ増えるイメージです。

亜子先生
亜子先生

「小数点が右に2つ移動している」というのが分かりづらかった方。
250にあえて小数点をつけると、250.0 となります。2.5のときよりも小数点が右に2つ移動していますね。

小数のかけ算の筆算

かけ算の筆算では、大事なことは1つ。

最後に小数点の移動を忘れないこと

では実際に例題を解いていきましょう。必ず一緒に書いてやってみてね。

【例題4】\(3.7\times9.2\)

手順1
小数点の位置はずれていても大丈夫なので、
全体が右揃えになるように縦に書きます。
(この問題は右揃えにしても小数点の位置が合いますね。)


\begin{array}{rrrr}
&&&3.&7\\
\times\large{)}&&&9.&2\\
\hline
\end{array}

手順2
特に小数点は意識せず、かけ算の筆算をします。
つまり、\(37\times92\)の筆算ですね。
\(37\times92=3404\)です。

整数のかけ算があやふやだった方はしっかり復習を。


\begin{array}{rrrr}
&&&3.&7\\
\times\large{)}&&&9.&2\\
\hline
&&&7^1&4\\
&3&3^6&3&\\
\hline
&3&4^1&0&4\\
\end{array}

手順3
整数のかけ算ならここで終了ですが、今回は小数のかけ算。小さき悪魔、小数点の存在を忘れてはいけません。
37というのは3.7の小数点が右に1つ
92というのは9.2の小数点が右に1つ移動したものですね。
合わせて右に2つ移動したまま計算してしまっているので、3404は小数点を左に2つ戻してあげる必要があります。
\(3.7\times9.2=34.04\) が正解です。

\begin{array}{rrrr}
&&&3.&7\\
\times\large{)}&&&9.&2\\
\hline
&&&7^1&4\\
&3&3^6&3&\\
\hline
&3&4^1.&0&4\\
\end{array}

小数の割り算

筆算がいらない(小数)÷10

【例題5】\(8.6\div10\)

このような(小数)÷10 の計算は、小数点を1つ左にずらした0.86が答えです。
割り算は、かけ算と違って順番を変えると答えが違ってくるので、\(10\div8.6\)のような場合はこのあとやる筆算が必要です。
ちなみに、(小数)÷100の場合はどうなるか分かりますか?
\(0.4\div100\) のような式です。小数点は左2つ移動して、0.004が正解です。
移動させた小数点の左側に何も数字がないときは0を書きます。

割り算では、÷10、÷100、÷1000、と0が1つ増えるたびに左移動が1つ増えるイメージです。

小数の割り算の筆算

大事なことは2つ。

  1. \(A \div B \) のBが小数の時は、最初に小数点の移動を忘れないこと
  2. 最後に小数点を必ず書くこと

難しいのでさっそく3つのパターンに分けて例題にいきましょう。だんだんレベルが上がっていくので、これも必ず自分で書いてやってみてね。

【例題6】\(67.2\div12\)

手順1
\(A \div B \) のB(12)は小数ではありませんね。なので、特に最初に小数点を移動させる必要はありません。
67.2と12の配置に気をつけて、筆算の形にします。

\begin{array}{r}
1 \quad 2 \quad \require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 6 \quad 7. \quad 2}
\end{array}

手順2
特に小数点は意識せず、割り算の筆算をします。
つまり、\(672\div12\)の筆算ですね。
\(672\div12=56\)です。

整数の割り算が不安な方はこちらの記事へ。

\begin{array}{r}
5 \quad 6\\
1 \quad 2 \quad
\require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 6 \quad 7. \quad 2}\\
\underline{ \quad 6^1 \quad 0 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 7 \quad 2\\
\underline{\quad 7^1 \quad 2}\\
0
\end{array}

手順3
最後に忘れずに小数点をそのまま上に持ってきます。

\begin{array}{r}
5. \quad 6\\
1 \quad 2 \quad
\require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 6 \quad 7. \quad 2}\\
\underline{ \quad 6^1 \quad 0 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 7 \quad 2\\
\underline{\quad 7^1 \quad 2}\\
0
\end{array}

【例題5】\(55.68\div17.4\)

手順1
今度は \(A \div B \) のB(17.4)が小数なので、最初に小数点を移動させる必要があります。
17.4の小数点を10倍して(小数点を右へずらして)、整数である174に変えます。
同時に必ず55.68も10倍して556.8に変えます。

556.8と174の配置に気をつけて、筆算の形にします。

\begin{array}{r}
1 \quad 7 \quad 4 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 5 \quad 6. \quad 8}
\end{array}

手順2
これで先ほどやった小数の割り算の筆算と同様です。復習をかねてやってみましょう。
\(55.68\div17.4=3.2\) となれば正解です。

\begin{array}{r}
3. \quad 2\\
1 \quad 7 \quad 4 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 5 \quad 6. \quad 8}\\
\underline{ \quad 5^2 \quad 2^1 \quad 2 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 3 \quad 4 \quad 8\\
\underline{\quad 3^1 \quad 4 \quad 8}\\
0
\end{array}

【例題6】\(56\div44.8\)

手順1
\(A \div B \) のB(44.8)が小数なので、最初に小数点を移動させる必要があります。
44.8の小数点を10倍して448に変えます。
同時に必ず56も10倍して560に変えます。

560と448の配置に気をつけて、筆算の形にします。後で必要になるので、560のあとの小数点も忘れずに書きます。

\begin{array}{r}
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0.}
\end{array}

手順2
割り算の筆算の手順に従って解いていきます。
今までの知識だと、ここで止まってしまいますね。
余りが112となって止まります。

でも、今や私たちは「小数」という知識を手に入れたので、答えが1.○ という小数になっても何も怖くありません。ここからは、新しい知識になりますが、引き続き進めていきましょう。

\begin{array}{r}
1. \\
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0.}\\
\underline{ \quad 4 \quad 4 \quad 8\\}\\
\quad 1 \quad 1 \quad 2\\
\end{array}

手順3
割り算の答えを「商(しょう)」といいます。
「商は、数字の上にしか書くことができない」という決まりがあります。今書いてある商の1は、560の0の上に書かれていますね。今までの割り算でも必ず商の下には数字があるはずです。

1.〜のあとに商を書きたいですが、その下に数字がありません。こういうときは、560. のうしろに新たに0を足します。
同時に、その0を112の横にそのまま下ろします。

\begin{array}{r}
1. \quad \phantom{0}\\
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0. \quad 0}\\
\underline{ \quad 4 \quad 4 \quad 8 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 1 \quad 1 \quad 2 \quad 0\\
\end{array}

手順4
新しく追加した0の上に商を書いていきます。
今まで通り進めていきます。

\begin{array}{r}
1. \quad 2\\
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0. \quad 0}\\
\underline{ \quad 4 \quad 4 \quad 8 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 1 \quad 1 \quad 2 \quad 0\\
\underline{ \quad 8 \quad 9^1 \quad 6}\\
\quad2\quad2\quad4\\
\end{array}

手順5

また新しく商が必要になったので、まずその下に0を追加してから商を書きます。

余りがなくなりました。
\(56\div44.8=1.25\)が正解です。

\begin{array}{r}
1. \quad 2 \quad 5\\
4 \quad 4 \quad 8 \quad\enclose{longdiv}{ \quad 5 \quad 6 \quad 0. \quad 0 \quad 0}\\
\underline{ \quad 4 \quad 4 \quad 8 \quad \phantom{0} \quad \phantom{0}\\}\\
\quad1\quad1\quad2\quad0\quad \phantom{0}\\
\underline{ \quad 8 \quad 9^1 \quad 6 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad2\quad2\quad4\quad0\\
\underline{\quad2\quad2^2\quad4^4\quad0}\\
0
\end{array}

亜子先生
亜子先生

今回は割り切れる割り算でしたが、小数点以下の割り算をいくら進めていっても永遠に余りが0にならないこともあります。\(4\div3\)などがそうです。やってみてね。
こういう計算は、このあと解説する分数を使って解決できます。
To be continue…

間違いやすいポイント

  • 小数点を書き忘れる、位置を間違える
  • かけ算で、最後の小数点の移動を忘れる、間違える
  • 割り算で、\(A \div B \) のBが小数だった場合の小数点の移動を忘れる
  • 割り算の商を、下に数字がない状態で書いている

練習問題

間違えやすいポイントを特に意識してやってみましょう!

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