数的処理ではお馴染みの分数ですが、計算が苦手、そもそも全くできない方がとにかく多いです。
この記事でしっかり理解しましょう。
- 分数の計算に苦手意識がある
- 何度計算しても答えが合わない
- 資料解釈、方程式、割合、比の問題が苦手
このような方に役立つ記事です。
分数の足し算
足し算で覚えておくことは2つ。
- 分母は足し算できない
- 分母が違う場合は、通分してから分子を足し算
通分はこの記事にて手順を超分かりやすく解説しています。
大丈夫な方は例題を見ていきましょう。
【例題1】本を読み始めました。昨日はこの本の\(\displaystyle\frac{1}{5}\)を読み、今日は\(\displaystyle\frac{3}{5}\)読みました。さて、現在どのくらい読み進めたでしょう。
\(\displaystyle\frac{1}{5}+\frac{3}{5}\)
よくある間違いは、\(\displaystyle\frac{1}{5}+\frac{3}{5}=\frac{4}{10}\)
これ、よく考えるとツッコミどころ満載なんです。
昨日は少しだけ進め、今日はがんばって半分以上である\(\displaystyle\frac{3}{5}\)読み進めたんですよ!なのに合計になったら\(\displaystyle\frac{4}{10}\)… 半分を下回ってます!!
変ですね。分母を足し算すると、こんなおかしなことになるのです。
分母は足し算はせずそのまま、分子は普通に足し算をして、
\(\displaystyle\frac{1}{5}+\frac{3}{5}=\frac{4}{5}\)が正解です。
【例題2】また別の本を読み始めました。昨日は\(\displaystyle\frac{1}{2}\)読み、今日は\(\displaystyle\frac{2}{5}\)読みました。さて、合わせてどれくらい読み進めたでしょう。
\(\displaystyle\frac{1}{2}+\frac{2}{5}\)
今回は分母の数字が違っていますね。通分の出番です。
それぞれの分母の2と5に共通する倍数を探します。
\(2\times5=10\)と\(5\times2=10\) の10に分母をそろえましょう。
\(\displaystyle\frac{1}{2}=\displaystyle\frac{5}{10}\) 、 \(\displaystyle\frac{2}{5}=\displaystyle\frac{4}{10}\)
分母がそろいました。これで分子を足し算すればOKです。
\(\displaystyle\frac{5}{10}+\frac{4}{10}\)=\(\displaystyle\frac{9}{10}\)
【例題3】水が3リットルあります。ここに、\(\displaystyle\frac{1}{4}\)リットル足しました。今何リットルあるでしょう。
\(3+\displaystyle\frac{1}{4}\)
少しイメージがしづらいですね。
1リットルのペットボトルが3本あり、そこへ1リットルのペットボトルに満たない半端な\(\displaystyle\frac{1}{4}\)リットルの水を足す、という感じです。
式が頭に思い浮かべられなかった方は、分数の基本を解説した記事も参考になります。
イメージが湧いたところで、計算してみましょう。
整数は、あえて分数の形にすると分母は1になりましたね。3=\(\displaystyle\frac{3}{1}\)です。
今回の足し算も分母が異なるので通分が必要ですね。
\(\displaystyle\frac{3}{1}=\displaystyle\frac{12}{4}\) とすると分母がそろいました。
\(\displaystyle\frac{12}{4}+\frac{1}{4}=\frac{13}{4}\) が正解です。
\(\displaystyle\frac{13}{4}\)リットル? なんじゃそりゃ? と思ったら、イメージしやすい帯分数の形にしてみましょう。
\(\displaystyle\frac{13}{4}=3\frac{1}{4}\)
3リットルとハンパな\(\displaystyle\frac{1}{4}\)の合計になりました。
分数の引き算
引き算と足し算は非常に似ています。双子のみたいなものです。覚えておくことはこの2つ。
- 分母は引き算できない
- 分母が違う場合は、通分してから分子を引き算
足し算をマスターした方なら大丈夫ですね。早速例題へ行きましょう。
【例題4】宿題で、参考書1冊のうち、\(\displaystyle\frac{1}{2}\)を終わらせなければなりません。しかし、今日は暑かった上に庭でセミが鳴いていたせいで、\(\displaystyle\frac{1}{7}\)しか終わらせることができませんでした。宿題はあとどれくらい残っていますか。
\(\displaystyle\frac{1}{2}-\frac{1}{7}\)
分母がそろっていないので、通分をして引き算をします。
それぞれの分母の2と7に共通する倍数を探します。
\(2\times7=14\)と\(7\times2=14\) の14に分母をそろえましょう。
\(\displaystyle\frac{1}{2}=\displaystyle\frac{7}{14}\) 、 \(\displaystyle\frac{1}{7}=\displaystyle\frac{2}{14}\)
分母がそろいました。これで分子を引き算すればOKです。
\(\displaystyle\frac{7}{14}-\frac{2}{14}\)=\(\displaystyle\frac{5}{14}\)
分数のかけ算
分数のかけ算は一番簡単です。
分母同士、分子同士をかけ算してOKです。ただし、そのままかけ算をすると数がとんでもなく大きくなってしまうので、できるところは「約分」を使って計算していきます。
約分…?はて…?という方はこちらのページで。
【例題5】\(\displaystyle\frac{2}{5}\times\frac{1}{7}\)
今回は、どちらの分数もこれ以上約分ができませんので、そのままかけ算していきます。
分母と分母をかけて\(5\times7=35\)
分子と分子をかけて\(2\times1=2\)
\(\displaystyle\frac{2}{5}\times\frac{1}{7}=\frac{2}{35}\) が正解です。
【例題6】\(\displaystyle\frac{19}{36}\times\frac{9}{38}\)
さて、分母と分母、分子と分子でかけ算を…と計算しようとしたら大変ですね。
ここで、約分の出番です。
約分は、分母と分子で共通して割れる数があれば割っても大きさは変わらず、数を小さくできるという便利なものでした。
今回のようなかけ算では、違う分数であっても分母と分子の共通で割れる数で割り算ができます。
\(\displaystyle\frac{19}{36}\) の19と、\(\displaystyle\frac{9}{38}\) の38は、どちらも19で割れます。
\(\displaystyle\frac{19}{36}\) の36と、\(\displaystyle\frac{9}{38}\) の9は、どちらも9で割れます。
よって、\(\displaystyle\frac{19}{36}\times\frac{9}{38}=\frac{1}{4}\times\frac{1}{2}\)と計算でき、
答えは\(\displaystyle\frac{1}{8}\) です。
計算が大変ではありますが、約分をせずにかけ算をして、\(\displaystyle\frac{19}{36}\times\frac{9}{38}=\frac{171}{1368}\)
最後に約分をしても答えは同じになります。でも、ここまで数が大きいと共通で割れる数字を見つけるのが大変なので、やはり最初に約分してしまうのがおすすめです。
分数の割り算
ラスボス、割り算へ参りましょう。
注意点は1つ。
割り算がきたら、逆数のかけ算に変える
言葉が難しいですね。例題で解説しましょう。
【例題7】\(\displaystyle\frac{8}{7}\div\frac{4}{35}\)
\(\displaystyle\frac{8}{7}\)を\(\displaystyle\frac{4}{35}\)で割る という式ですが、
この\(\displaystyle\frac{4}{35}\)の分母と分子をひっくり返してかけ算に直し、
\(\displaystyle\frac{8}{7}\times\frac{35}{4}\) の計算をします。
ちなみにこの分母と分子をひっくり返した数を、「\(\displaystyle\frac{4}{35}\)の逆数」といいます。
今後使う言葉なのでぜひお見知りおきを。
\begin{array}{l}
&\frac{8}{7}\div\frac{4}{35}\\
=&\frac{8}{7}\times\frac{35}{4}\\
=&\frac{2}{1}\times\frac{5}{1}\\
=&10\\
\end{array}
【例題8】\(\frac{56}{23}\div24\)
割り算は、逆数のかけ算に直す!
ということで、24を逆数にしてみましょう。24をあえて分数の形にすると、\(\displaystyle\frac{24}{1}\)なので、その逆数は\(\displaystyle\frac{1}{24}\)ですね。
\begin{array}{l}
&\frac{56}{23}\div24\\
=&\frac{56}{23}\times\frac{1}{24}\\
=&\frac{7}{23}\times\frac{1}{3}\\
=&\frac{7}{69}\\
\end{array}
練習問題
やり方は理解できましたか?練習問題で速く・正確にできるようにしていきましょう。
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