【数的処理の基本5】負の数のかけ算・割り算

数的処理



負の数のかけ算と割り算には、ルールがあり、これを覚えてしまえば簡単です。例題を使ってわかりやすく解説します。
このような方に役立つ記事です。

  • マイナスを含む計算ではいつも解答と符号が逆になる
  • 解答と合わない
  • 数的処理の勉強を始めたばかり

負の数を含むかけ算・割り算のルール

ルールは2つ。
なのですが、それを明かす前に以下の問題を考えてみてください。

【問題】マイナスを含む計算式をいくつか挙げます。これを参考に、負の数のかけ算・割り算のルールを2つ当ててください。
\((-3)\times5=-15\)
\((-2)\times(-4)=8\)
\((-8)\div4=-2\)
\((-9)\div(-3)=3\)

亜子先生
亜子先生

わかった方は「思考力」が高いです!これから試験勉強をするにあたって、とても有利ですよ。

というわけで、お待たせいたしました。いや、少々お待たせしすぎたかもしれません。かけ算と割り算のルールを発表いたします。

  1. かけ算・割り算に負の数が1つ含まれているときは、答えはマイナス
  2. かけ算・割り算に負の数が2つ含まれているときは、答えはプラス

なお、突如出現した( )ですが、ここでは「マイナスと数字をまとめて見やすくするために付けている」と理解してください。
下記の記事にて詳しく解説しています。

【数的処理の基本6】かっこを含む計算
かっこを含む計算ができずに過去問で苦戦する方はとても多いです。だからこそ、かっこを使わないと解けない問題は頻出です。問題集が理解できない、元官僚が運営する、予備校の集団授業についていけない方専門のサイトです。合格に向けて基本から徹底サポート。

まだあまりピンとこない方は、例題を使って理解していきましょう。

かけ算・割り算の例題

【例題1】\((-9)\times8\)

\((-9)\)と8 の2つの数字がかけ算になっていますが、そのうちの1つ、9がマイナスになっていますね。
よって、ルール1より答えはマイナスになります。
あとは\(9\times8\)のかけ算をして、
\((-9)\times8=-72\)

【例題2】\((-75)\div(-25)\)

\((-75)\)と\((-25)\)のどちらもマイナスになっていますね。
よって、ルール2より答えはプラスになります。
あとは\(75\div25\)の割り算をして、
\((-75)\div(-25)=3\)

応用編

【例題3】\((-204)\div(-17)\times(-3)\)

手順1
今までは2つの数のかけ算・割り算でしたが、
これは3つですね。
でも、ルールに従って順番に進めていけば大丈夫です。
これはかけ算と割り算の混合なので、どこから始めてもOKです。
(詳しくは 四則混合算 の記事で解説しています。)
左から計算していきます。
\((-204)\div(-17)=12\)ですね。

\begin{array}{l}
&(-204)\div(-17)\times(-3)\\
=&12\times(-3)\\
\end{array}

手順2
残りを計算すると、
\(12\times(-3)=-36
となります。

このように順に計算していくと、
マイナスが奇数個のかけ算・割り算のときの答えはマイナスになることがわかります。

\begin{array}{l}
&(-204)\div(-17)\times(-3)\\
=&12\times(-3)\\
=&-36
\end{array}

【例題4】\((-78)\div(-13)\times(-3)\div(-9)\)

手順1
「あれ、これはマイナスが4つで偶数個だから…」と思ったそこのあなた。素晴らしい!
これも左から順番に計算していきましょう。
\((-78)\div(-13)=6\)

\begin{array}{l}
&(-78)\div(-13)\times(-3)\div(-9)\\
=&6\times(-3)\div(-9)\\
\end{array}

手順2
さらに計算を進めます。
\(6\times(-3)=-18\)ですね。

\begin{array}{l}
&(-78)\div(-13)\times(-3)\div(-9)\\
=&6\times(-3)\div(-9)\\
=&(-18)\div(-9)\\
\end{array}

手順3
最後の計算です。
\((-18)\div(-9)=2\)ですね。

このように順に計算していくと、
マイナスが偶数個のかけ算・割り算のときの答えはプラスになることがわかります。

\begin{array}{l}
&(-78)\div(-13)\times(-3)\div(-9)\\
=&6\times(-3)\div(-9)\\
=&(-18)\div(-9)\\
=&2
\end{array}

【例題5】\((-24)+36\div(-4)\times(-3)\)

手順1
今回は足し算・割り算・かけ算の混合です。
かけ算や割り算から先に計算するんでしたね。
一番左は足し算なので、ここは後回しです。
\(36\div(-4)=-9\)ですね。

\begin{array}{l}
&(-24)+36\div(-4)\times(-3)\\
=&(-24)+(-9)\times(-3)\\
\end{array}

手順2
次に割り算の部分を計算します。
\((-9)\times(-3)=27\)ですね。

\begin{array}{l}
&(-24)+36\div(-4)\times(-3)\\
=&(-24)+(-9)\times(-3)\\
=&(-24)+27\\
\end{array}

手順3
最後に足し算をします。
\((-24)+27=3\)
マイナスの足し算・引き算 の記事でも詳しく解説しています。

\begin{array}{l}
&(-24)+36\div(-4)\times(-3)\\
=&(-24)+(-9)\times(-3)\\
=&(-24)+27\\
=&3
\end{array}

練習問題

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