負の数のかけ算と割り算には、ルールがあり、これを覚えてしまえば簡単です。例題を使ってわかりやすく解説します。
このような方に役立つ記事です。
- マイナスを含む計算ではいつも解答と符号が逆になる
- 解答と合わない
- 数的処理の勉強を始めたばかり
負の数を含むかけ算・割り算のルール
ルールは2つ。
なのですが、それを明かす前に以下の問題を考えてみてください。
【問題】マイナスを含む計算式をいくつか挙げます。これを参考に、負の数のかけ算・割り算のルールを2つ当ててください。
\((-3)\times5=-15\)
\((-2)\times(-4)=8\)
\((-8)\div4=-2\)
\((-9)\div(-3)=3\)
わかった方は「思考力」が高いです!これから試験勉強をするにあたって、とても有利ですよ。
というわけで、お待たせいたしました。いや、少々お待たせしすぎたかもしれません。かけ算と割り算のルールを発表いたします。
- かけ算・割り算に負の数が1つ含まれているときは、答えはマイナス
- かけ算・割り算に負の数が2つ含まれているときは、答えはプラス
なお、突如出現した( )ですが、ここでは「マイナスと数字をまとめて見やすくするために付けている」と理解してください。
下記の記事にて詳しく解説しています。
まだあまりピンとこない方は、例題を使って理解していきましょう。
かけ算・割り算の例題
【例題1】\((-9)\times8\)
\((-9)\)と8 の2つの数字がかけ算になっていますが、そのうちの1つ、9がマイナスになっていますね。
よって、ルール1より答えはマイナスになります。
あとは\(9\times8\)のかけ算をして、
\((-9)\times8=-72\)
【例題2】\((-75)\div(-25)\)
\((-75)\)と\((-25)\)のどちらもマイナスになっていますね。
よって、ルール2より答えはプラスになります。
あとは\(75\div25\)の割り算をして、
\((-75)\div(-25)=3\)
応用編
【例題3】\((-204)\div(-17)\times(-3)\)
手順1
今までは2つの数のかけ算・割り算でしたが、
これは3つですね。
でも、ルールに従って順番に進めていけば大丈夫です。
これはかけ算と割り算の混合なので、どこから始めてもOKです。
(詳しくは 四則混合算 の記事で解説しています。)
左から計算していきます。
\((-204)\div(-17)=12\)ですね。
\begin{array}{l}
&(-204)\div(-17)\times(-3)\\
=&12\times(-3)\\
\end{array}
手順2
残りを計算すると、
\(12\times(-3)=-36
となります。
このように順に計算していくと、
マイナスが奇数個のかけ算・割り算のときの答えはマイナスになることがわかります。
\begin{array}{l}
&(-204)\div(-17)\times(-3)\\
=&12\times(-3)\\
=&-36
\end{array}
【例題4】\((-78)\div(-13)\times(-3)\div(-9)\)
手順1
「あれ、これはマイナスが4つで偶数個だから…」と思ったそこのあなた。素晴らしい!
これも左から順番に計算していきましょう。
\((-78)\div(-13)=6\)
\begin{array}{l}
&(-78)\div(-13)\times(-3)\div(-9)\\
=&6\times(-3)\div(-9)\\
\end{array}
手順2
さらに計算を進めます。
\(6\times(-3)=-18\)ですね。
\begin{array}{l}
&(-78)\div(-13)\times(-3)\div(-9)\\
=&6\times(-3)\div(-9)\\
=&(-18)\div(-9)\\
\end{array}
手順3
最後の計算です。
\((-18)\div(-9)=2\)ですね。
このように順に計算していくと、
マイナスが偶数個のかけ算・割り算のときの答えはプラスになることがわかります。
\begin{array}{l}
&(-78)\div(-13)\times(-3)\div(-9)\\
=&6\times(-3)\div(-9)\\
=&(-18)\div(-9)\\
=&2
\end{array}
【例題5】\((-24)+36\div(-4)\times(-3)\)
手順1
今回は足し算・割り算・かけ算の混合です。
かけ算や割り算から先に計算するんでしたね。
一番左は足し算なので、ここは後回しです。
\(36\div(-4)=-9\)ですね。
\begin{array}{l}
&(-24)+36\div(-4)\times(-3)\\
=&(-24)+(-9)\times(-3)\\
\end{array}
手順2
次に割り算の部分を計算します。
\((-9)\times(-3)=27\)ですね。
\begin{array}{l}
&(-24)+36\div(-4)\times(-3)\\
=&(-24)+(-9)\times(-3)\\
=&(-24)+27\\
\end{array}
手順3
最後に足し算をします。
\((-24)+27=3\)
マイナスの足し算・引き算 の記事でも詳しく解説しています。
\begin{array}{l}
&(-24)+36\div(-4)\times(-3)\\
=&(-24)+(-9)\times(-3)\\
=&(-24)+27\\
=&3
\end{array}
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