【公務員の時事問題】日米韓首脳会談 初の単独開催!バイデン大統領の別荘へご招待

時事問題

8月15日は何の日か知っていますか?終戦記念日です。
今から78年前、1945年8月15日に日本は終戦を迎えました。たくさんの犠牲を出した太平洋戦争で、アメリカに負けたのです。
今回のテーマはそんな日本の終戦後と関連が深い「日本・アメリカ・韓国の関係」。
歴史って何のために学ぶのかよくわからない方も多いと思いますが、この記事で「歴史があったから今日につながっているんだな」というのがよくわかると思います。
時事+歴史 まとめて学ぶと覚えることが多そうな気がしますが、つながりを理解する方が納得・深い理解につながります。

概要

8月18日に、日本、アメリカ、韓国で首脳会談が開催されることが決まりました。今までは国際会議に合わせて開催されており、単独での開催は今回が初めてです。たびたびミサイルを発射する北朝鮮への対応、半導体などのサプライチェーンの強化が議題になるとみられています。

過去の日米首脳会談

「単独での開催が初」とはどういうことでしょうか。
過去にもこの3カ国での首脳会談は何度も行われていましたが、大きな国際会議に合わせて開催していました。
例えば2022年11月のASEAN関連の首脳会談。ASEAN=東南アジア連合諸国です。
この会談の開催地はカンボジアで、日米韓首脳会談もここで行われました。
また、今年5月には日本が議長国として広島でG7が開催されました。

亜子先生
亜子先生

ここで問題です。
G7とは先進7カ国首脳会談とも呼ばれますが、7カ国とはどこでしょう。

フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ。
あとEUも参加します。
これ以外の招待国や国際機関が参加することもあります。

韓国は招待国として参加し、その流れで日米韓で会談をしたのですね。

でも今回は、特にG7があるわけではなく、バイデンさんが「キャンプデービッド(大統領専用の別荘)で会談しようよ!」と岸田総理大臣と尹 錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を招待しました。
わざわざ集まるということで、3カ国の仲の良さや信頼関係を世界にアピールしたのです。

会談の内容。やはりテーマはあの国々

日本と韓国という距離が近いアジアの国 + アメリカ、ということで、議題の中心はアメリカとの覇権争いの渦中にある中国と、軍事力を増す北朝鮮です。

日米韓首脳会談の議題
  1. 朝鮮半島で戦争が起きた場合の3カ国の対応
  2. 自衛隊・アメリカ軍・韓国軍で共同演習
  3. 北朝鮮のミサイル探知情報共有システムについて
  4. インド太平洋での中国の振る舞いについて
  5. 半導体、鉱物などのサプライチェーンの強化

1. 朝鮮半島で戦争が起きた場合の3カ国の対応

北朝鮮と国境を接する韓国は、日本以上に核の脅威にさらされています。
1951年の朝鮮戦争のような有事が再び起こったときには、在韓米軍と韓国軍の後方支援を担うのが在日米軍と日本の自衛隊です。
現在の憲法では、「自衛のための戦争のみ許される。一定の条件付きで同盟国が攻撃されているときに武力を行使できる」と解釈されています。つまり、自衛隊が戦地に行って戦争に参加することはできないのです。
よって、自衛隊は戦う在韓米軍と韓国軍の後方支援、ということになります。


2. 自衛隊・アメリカ軍・韓国軍で共同演習


3. 北朝鮮のミサイル探知情報共有システムについて

3カ国は以前から北朝鮮がミサイルを発射した場合に、探知情報をリアルタイムで共有するシステムを整備しており、これを年内に完成させることを目標としています。
「準備進んでる?」と進捗状況を話し合う予定です。


4. インド太平洋での中国の振る舞いについて

中国は、「一帯一路」政策でインド太平洋地域にも大きな影響を持っています。
一帯一路とインド太平洋地域については、下記の記事で要点をまとめています。

中国はアジアから中東、そしてヨーロッパ一帯にインフラを整備し、いくつもの国に勢力を拡大しています。
世界の国々で取り決めた国際法に違反しているのでは?と考えられる行動もあります。

そこでこの3カ国は「インド太平洋地域を、法の支配(=法律をしっかり守る)に基づく国際秩序を維持できるようにがんばろう!」と話し合います。


5. 半導体、鉱物などのサプライチェーンの強化

身の回りの工業製品に使われている半導体。一時期半導体不足が深刻になりましたが、半導体がなければ生活が機能しなくなります。
それだけではありません。情報機器にもたくさん使われているので、国の運営や防衛といった、国家レベルでも半導体はとても重要なものです。

半導体不足が起きないように、また半導体が安全に正しく使われるように、サプライチェーン(=共有網)をしっかり整備しようと話し合う予定です。

今回の3カ国首脳会談は、今までの国際会議と一味違う

一年に一度開かれるG7の他にも、さらに多くの国が参加するG20、東南アジアの国が中心メンバーのASEAN、太平洋をぐるっと囲む国々が参加するAPECなど、国際会議の場はたくさんあります。
ニュースをチェックしている方は「なんかしょっちゅう国際会議ひらかれてるなあ」と思うかも知れません。

これらG7、G20、ASEAN、APECと今回の日米間首脳会談には決定的な違いがあります。
今回の会談は「ある国に対して軍事力や政治力を発揮し、牽制するという目的で開催されている」ということです。

今までの国際会議は、環境問題や世界経済などグローバルな内容で特定の国を意識して開かれているわけではありませんでした。
しかし、今回の会談は北朝鮮や中国という国名を出していることからもわかる通り、とても意識しています。

こういう「なんか…いつもと違う///」みたいな時事問題は狙われやすいです。

日米韓のこれまでの関係!歴史を知れば今がわかる

先ほど「朝鮮戦争」というワードが出てきましたが、今回登場した国々や自衛隊、冒頭でお話した終戦記念日にとても関連が深く、歴史と時事をセットで学ぶと超効果的だというとても良い例なので、ここで解説します。

1945年、日本はアメリカをリーダーとする連合国たちとの戦争に負けてしまいました。
その直後は、日本という国としては認められず、アメリカ軍が日本を占領していました。占領というと怖い感じがしますが、敗戦後はもう敵対関係はありません。

その間にアメリカのサポートを受けながら今の憲法が作られます。
その憲法には「日本は今後武力は一切持たず、戦争も絶対にしません」というような内容が書かれていました。この考え方は平和主義と呼ばれています。
アメリカ軍に負ける前の日本は、アジアの国々を植民地にしてやりたい放題やっていたのです。
連合国たちから批判を受けますが、それも無視しているうちに連合国と戦争になったという経緯がありました。
もうこんなことは繰り返さないでほしいという願いを込めてアメリカは憲法に平和主義の内容を盛り込んだのです。

しかし、その状況が一変したのが1951年の朝鮮戦争です。
「どっちが朝鮮半島をもらうか」で 北朝鮮 VS 韓国 が争いました。
さらに、険悪な関係にあった2つの大国、ソ連とアメリカをも巻き込み、とても大きな戦争に発展します。

ソ連は「社会主義(格差は許さん!みんな平等を目指す!)」、アメリカは「資本主義(がんばった人は稼げる!格差はしょうがない!)」という異なる考え方を持っており、仲がよくありません。
ソ連は北朝鮮を、アメリカは韓国を応援し、ソ連もアメリカも軍事力がとても強いので、この戦争は決着がつかず、今は停戦しているだけで終わったわけではありません。

当時まだ日本はアメリカが占領していましたが、この朝鮮戦争をきっかけに占領を終了して「日本」という国として独立を認めました。
なぜかというと、アメリカはソ連のような「社会主義」を掲げる国がアジアに増えてしまうのを恐れたからです。アメリカと同じ資本主義の国である日本がアジアのリーダー的存在となることで、それを防ぐ狙いがありました。

独立を認めると同時に、アメリカは日本に「警察予備隊」という組織をつくります。今でいう陸上自衛隊の機能を持っていました。
でも、憲法に「平和主義!軍隊は持たない!」と書いたばかりでしたよね?
日本にいたアメリカ軍は、朝鮮戦争でお隣の韓国に行ってしまい、日本が空っぽになってしまいました。このままではソ連に攻め込まれて社会主義化してしまうかもしれない…と最悪な想定をしたアメリカは、やむを得ず「警察予備隊」を作ったのです。
その後、今でいう海上自衛隊の機能を追加して「保安隊」、さらに陸・海・空を網羅的に守れる「自衛隊」となりました。

自衛隊はもはや憲法が禁止している「軍隊」です。
なお、憲法を変えるのは大変なプロセスが必要なので、日本の総理大臣は「憲法の解釈」を変えることにしました。
初めは「軍隊は一切禁止」でしたが、警察予備隊が発足すると「陸軍の機能しかないから警察予備隊は軍隊じゃない」、自衛隊に改組してからは「自衛のためだったら武力を行使してもOK」と解釈を変えていきます。

最近は「自衛だけ」というわけにもいかなくなり、「場合によっては武力行使もあり」という解釈をとっています。
これが、先ほど解説した「自衛隊はアメリカ軍の後方支援しかできない」というところにつながってきます。

最後に

日米間の関係や自衛隊への考え方など、今後もどんどん変化していく時事問題を解説しました。
公務員は今の状況に最適な政策を考える職業です。
目まぐるしい変化をしっかり追えているか?を確かめる問題は出題されやすいといえます。
とはいえ毎日新聞やニュースをくまなくチェックするのは忙しい受験期に現実的ではないので、
このサイトでは厳選した時事問題をお届けしていきます。
年明けからの時事問題の追い込み期に絶対に役立つはずです。

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