足し算、引き算、かけ算、割り算をまとめて四則計算といいます。四則計算が分からないと、数的処理のスタートラインにも立てません。この記事では、四則計算の中でかけ算と割り算のやり方を解説します。
このような方に役立つ記事です。
- 四則計算のやり方をおさらいしたい方
- ケアレスミスが多い方
- これから数的処理の勉強を始める方
かけ算
ある日、「フレッシュたかの」での買い物を終えて家路を急いでいると、いつの間にかあの年季の入ったアパートが取り壊されていて、「売地」の文字が。この土地は長方形で縦54m、横62mとのことです。面積はどのくらいなのでしょう。
【例題1】\(54\times62\)
今回の問題の「62」のことを「かける数」と言いますが、このかける数を6と2に分けて計算します。
つまり、\(54\times2\)と\(54\times6\)に分けて筆算します。(計算の順番は2→6になるのに注意)
手順1
位をそろえて縦に書きます。
\begin{array}{rrrr}
&&&5&4\\
\times\large{)}&&&6&2\\
\hline
\end{array}
手順2
\(54\times2\)をします。
\(2\times4=8\) なので、答えの一の位には8と書きます。
また、\(2\times5=10\) なので、答えの百の位と十の位に1、0と書きます。
\begin{array}{rrrr}
&&&5&4\\
\times\large{)}&&&6&2\\
\hline
&&1&0&8
\end{array}
手順3
\(54\times6\)をします。
\(6\times4=24\) なので、答えの一の位には4だけ書きますが、
ここで書く場所に注意です。
今計算をしている\(54\times6\) の
6の下に書いてください。
24の2は、先ほどの足し算と同じように、隣の位の上に小さく書いておきます。
次に、\(6\times5=30\) なので
繰り上がった2も忘れずに足して
隣の位に32を書きます。
\begin{array}{rrrr}
&&&5&4\\
\times\large{)}&&&6&2\\
\hline
&&1&0&8\\
&3&2^2&4&\\
\hline
\end{array}
手順4
手順2、手順3で出した2つの数字を足します。
古いアパートの跡地はけっこう広そうです。きっと、お高いんでしょうね。
\begin{array}{rrrr}
&&&5&4\\
\times\large{)}&&&6&2\\
\hline
&&1&0&8\\
&3&2^2&4&\\
\hline
&3&3&4&8\\
\end{array}
割り算
余りが出ない割り算
家に着いたらさっそく夕食の準備。下ごしらえしておいた肉団子をキムチ鍋に入れます。お気に入りのタミタのキッチンスケールで計ると、肉だねは全部で819gありました。明日のお弁当用も一緒に作っておくから…肉団子は13個作ることにしました。さて、1つあたりの肉団子は何gになるのでしょうか。
【例題2】\(819\div13\)
手順1
819と13の配置に気をつけて、筆算の形にします。
\begin{array}{r}
1 \quad 3 \quad \require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 1 \quad 9}
\end{array}
手順2
813の中に13がいくつ入るかを考えていきます。
指などで隠しながら左から8、1、3と表示させていきます。
まず、8の中には13は入らないので、隣の1を表示させます。
81の中には13は6つ入ります。
(\(13\times6=78\)で81に納まっています。でも\(13\times7\)になると答えは91なので、81をオーバーしてしまいますね。)
よって、1の上に6と書きます。
\begin{array}{r}
6 \quad \phantom{0}\\
1 \quad 3 \quad \require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 1 \quad 9}
\end{array}
手順3
手順2で出した6と13をかけ算し、答えを2段目に書きます。
書き始めの位置は6の下になりますので注意!
\begin{array}{r}
6 \quad \phantom{0}\\
1 \quad 3 \quad \require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 1 \quad 9}\\
\quad 7 \quad 8 \quad \phantom{0}\\
\end{array}
手順4
一番左の9はそのまま下に書き、
引き算\(81-78=3\)をします。
\begin{array}{r}
6 \quad \phantom{0}\\
1 \quad 3 \quad \require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad \require{cancel}\cancel{8}^7 \quad 1 \quad 9}\\
\underline{ \quad 7 \quad 8 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 3 \quad 9
\end{array}
手順5
手順2〜4を繰り返します。
余りが出ない場合は、引き算の答えが0になったら終了です。
肉団子、63個もできてしまいました。
\begin{array}{r}
6 \quad 3\\
1 \quad 3 \quad
\require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad \cancel{8}^7 \quad 1 \quad 9}\\
\underline{ \quad 7 \quad 8 \quad \phantom{0}\\}\\
\quad 3 \quad 9\\
\underline{\quad 3 \quad 9}\\
0
\end{array}
余りが出る割り算
キムチ鍋のあまりの美味しさに、明日のお弁当用の肉団子まで食べてしまったあなたは、寝る前に日課の家計簿をつけます。「フレッシュたかの」でお菓子をたくさん買ってしまったためか、給料日まで食費に使えるのは8321円しかありません。給料日まではあと27日あります。食費は1日いくら使えるのでしょうか。
【例題3】\(8321\div27\)
手順1
8321と27の配置に気をつけて、筆算の形にします。
\begin{array}{r}
2 \quad 7 \quad \require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 3 \quad 2 \quad 1}
\end{array}
手順2
8321の中に27がいくつ入るかを考えていきます。
指などで隠しながら左の数字から表示させていきます。
まず、8の中には27は入らないので、隣の3を表示させます。
83の中には27は2つ入ります。
(\(27\times3=81\)で83に納まっています。でも\(27\times4\)になると答えは108なので、83をオーバーしてしまいますね。)
よって、3の上に3と書きます。
\begin{array}{r}
3 \quad \phantom{ \quad 21}\\
2 \quad 7 \quad \require{enclose}\enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 3 \quad 2 \quad 1}
\end{array}
手順3
手順2で出した3と27をかけ算し、答えを2段目に書きます。
書き始めの位置は3の下になるので注意!
\begin{array}{r}
3 \quad \phantom{ \quad 21}\\
2 \quad 7 \quad \enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 3 \quad 2 \quad 1}\\
\quad 8 \quad 1 \quad \phantom{ \quad 21}\\
\end{array}
手順4
8321の十の位の2はそのまま下に書き、
引き算\(83-81=2\)をします。
\begin{array}{r}
3 \quad \phantom{ \quad 21}\\
2 \quad 7 \quad \enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 3 \quad 2 \quad 1}\\
\underline{ \quad 8 \quad 1 \quad \phantom{\quad 21}}\\
\quad 2 \quad 2\phantom{\quad 1}
\end{array}
手順5
手順2〜4を繰り返します。
22の中に27は入らないので、この22の一の位の2の上に0と書きます。
\begin{array}{r}
3 \quad 0 \quad \phantom{0}\\
2 \quad 7 \quad \enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 3 \quad 2 \quad 1}\\
\underline{ \quad 8 \quad 1 \quad \phantom{\quad 21}}\\
\quad 2 \quad 2\phantom{\quad 1}
\end{array}
手順6
手順5で出した0と27をかけ算し、答えを書きます。
書き始めの位置は0の下になるので注意!
\begin{array}{r}
3 \quad 0 \quad \phantom{0}\\
2 \quad 7 \quad \enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 3 \quad 2 \quad 1}\\
\underline{ \quad 8 \quad 1 \quad \phantom{\quad 21}}\\
\quad 2 \quad 2\phantom{\quad 1}\\
\underline{ \quad 0 \quad 0 \quad \phantom{0}}\\
\end{array}
手順8
8321の一の位までくり返し、引き算の答えが27より小さくなれば終了です。
この引き算の答えが余りです。
1日308円か…しばらくはもやし炒めが続きそうです。
\begin{array}{r}
3 \quad 0 \quad 8\\
2 \quad 7 \quad \enclose{longdiv}{ \quad 8 \quad 3 \quad 2 \quad 1}\\
\underline{ \quad 8 \quad 1 \quad \phantom{\quad 21}}\\
\quad 2 \quad 2\phantom{\quad 1}\\
\underline{ \quad 0 \quad 0 \quad \phantom{0}}\\
\quad \cancel{2}^1 \quad 2 \quad 1\\
\underline{ \quad 2 \quad 1 \quad 6}\\
5
\end{array}
練習問題
いろいろありましたが、ひとまず基本はクリアです。あとは練習あるのみ。忘れないように繰り返しましょう。
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