これから公務員試験の対策に着手しようとしている方にとって、とても悩ましい問題です。
でも、選び方は意外とシンプル。受験生は次の2通りに分けられます。
- 集団授業と通信講座と個別指導のうち、それぞれのメリットを考慮して選んでも良い人
- 個別指導一択の人
自分がどちらに当てはまるかは下記のフローチャートを参考にしてください。
「学力が平均以上か平均未満か」は、下記ページの計算問題が自力で解けるかどうかが目安です。
また、かかる費用については本当にまちまちで一概にいえないため、今回は言及していません。
費用で選んだ結果、結局自分に合わず別のところへ移り、結局高額になった…という生徒さんがとても多いので、まずは自分に合うところを選び、そのあとで費用を比較するのがおすすめです。
集団授業の特徴とメリット・デメリット
集団授業は、大手の予備校が提供している、一つの教室に生徒が一同に介して行われる授業形態です。小中学校の授業よりも大きな教室で、大人数で行われるイメージでしょうか。
国家公務員コース、地方公務員コース、公安系コースといったように、いくつかのコースに分かれていることが多いです。
どのコースでも、まず初回で年間スケジュールが配られます。マイナーな科目も含め、必要な科目を網羅できるようにカリキュラムが組まれています。
授業では、そのスケジュールに沿って講義が行われ、講師によっては「○ページのこの問題やっておいてね!」というように、次回までの宿題が出されることもあります。
このような集団授業のメリットは、次のような点です。
- 多くの受験生と授業を受けられるため、困った時などに話ができる
勉強でつまづいたときには得意な人に聞いたり、逆に得意なことは自分が教えたりできます。
長期間の勉強で嫌になったとき、スランプのときには悩みを相談し合うこともできます。 - 規模の小さな地方自治体や、募集人数の少ない職種・区分についての情報量が多い。
大手予備校では何千・何万人という単位の生徒の指導を経験しているため、過去に上記のような自治体や職種を受験した生徒がいる場合があります。インターネットでもなかなか見つけられない情報を得られるのがメリットです。
逆に、デメリットとしては下記の点が挙げられます。
- 個人のレベルに関係なく、すべてのサービスは「平均レベル」に合わせている
大手予備校などは、できるだけたくさんの生徒を集め、授業の満足度を高める必要があります。そのため、なるべく平均的な学力の生徒にレベルを合わせて授業を進めていきます。
学力が平均に満たない人は初回からついていけなくなってしまいますし、逆に平均以上ある人は時間が無駄になってしまいます。
そもそも、最初から決められているカリキュラムや出される宿題も、「自分はこの科目は必要ないのにな…」というものがあります。それでも授業料は減額されません。 - 全科目を網羅するため、授業ペースが速い
上記のとおり、マイナー科目も含め全科目を扱ってくれますが、これはメリットでもありデメリットでもあります。なかなか勉強しづらいマイナー科目も勉強できる一方、授業数を多くこなす必要があるのでスピードはとても速く、内容も基本的な知識は飛ばされてしまいます。
平均以上の学力があれば問題ないですが、平均未満であるとわからないところがあってもどんどん進んでしまうため、授業はとても辛いです。
ちなみに、個別指導を希望する方は、ほとんどが集団授業の経験者で、レベルとスピードにまったくついていけずに個別指導にたどりついた、と話しています。 - スケジュールが決まっているので、都合の悪い日があったら授業が受けられない
学校や仕事終わりに予備校に通う方に向けて、複数の時間帯で授業を展開してくれる予備校も多いです。ただ、それでも全日程出席できるとはかぎりません。急に食事に誘われてしまった、今日こそはデートをすっぽかせない、こんな場合は授業を欠席するしかありません。
このような場合には、撮影した授業の映像を貸し出してくれることがほとんどなので、それで対応する必要があります。 - フォロー体制が心許ない
授業時間後、すぐに講師に質問ができることはとてもメリットです。ただ、大手予備校の人気講師は授業が詰まっているため、希望者が多数の場合は時間切れになってしまうことがあります。
メールにて質問を受け付けている場合もありますが、返信が2、3日後になってしまうようです。
通信講座の特徴とメリット・デメリット
集団授業のデメリットである、「授業のスピードが速い」、「都合が合わない場合は授業を欠席しなければならない」という点を解消できるのが通信講座です。
こちらも集団授業と同様に自分の志望先に合わせてコースを選択でき、申し込み後は講義の映像をパソコンやスマートフォンなどの媒体で見るという形です。
通信講座のメリットは、次のような点です。
- 自分の好きな場所で、好きなタイミングで見ることができる
日程が決められている集団授業とは異なり、とても自由度が高いのが魅力です。 - 何回でも繰り返して見ることができ、再生スピードも変えられる
苦手なところは何度でも、逆に得意な科目は飛ばすことができます。
また、再生スピードを自由に変えて、効率よく講義を受けられます。
デメリットとしては下記の点が挙げられます。
- 自由度が高い分、強い意志が必要
好きなタイミングで見られるということは、逆にいえばサボることもできるということです。
通信講座の場合、「○月中はこの範囲」というように、目安となるようなペースが示されている場合もありますが、これはあくまでも目標で、これに間に合わなかったとしても過去の映像は見れてしまいます。
つまり、基本的には自分でスケジュールを作って進めていかなければなりませんし、遅れてしまえば自分で挽回するしかありません。 - 講義のレベルは平均に合わせている
こちらは集団授業と同様に、学力が平均に満たない方は講義の内容についていけません。再生停止してわからない箇所を別途調べるなどの対策を取る必要がありますが、今度はなかなか進まないという新たな悩みが出てきます。
個別指導の特徴とメリット・デメリット
契約した生徒全員が同じ講義を受ける集団授業・通信講座に対し、完全オーダーメイドで授業を受けられるのが個別指導です。家庭教師のようなイメージでしょうか。
そう聞くと、個別指導最強なのでは…?と思うかもしれませんが、しっかりメリットとデメリットを知っておきましょう。
なお、個別指導の場合は担当の講師によって指導方法が全く違います。これは亜子先生の場合です。
個別指導のメリットは、やはりこれでしょう。
- 授業だけでなく、スケジュールやカリキュラムの設定から自分に合わせてもらえる
初回の授業にて、苦手な科目・得意な科目・不要な科目・現在の進捗状況などをお伺いしますので、最短距離で効率よく合格できるようなスケジュール・カリキュラムを組みます。
授業はそれに沿って進めますが、なんといっても個別指導のため、「やっぱりこの科目もわからない」というような次々と湧き出る悩みにも柔軟に対応します。 - 授業中、いつでも質問ができる
授業中すべての疑問が解決するなんてあり得ませんよね。分からないから授業を受けているのですから当然です。なんといっても個別指導のため、疑問が発生したらその場で質問できます。分からないところ、間違えたところが一番のお宝だと思っているので、あくまで亜子先生の場合ですが、話を遮ってでも質問してほしいです。 - 授業の中でアウトプットができる
「アクティブリコール」というメソッドを聞いたことはありますか?亜子先生の授業では、これを一番大事にしています。いや、もうこれしか考えていないといっても過言ではありません。
アクティブリコールとは、読んだり書いたりして覚えたことを「思い出す」作業を重視した勉強法のことです。
こんな実験があります。
数十人の学生を次の2つのグループに分け、2つの異なる方法で暗記をしてもらい、結果を出しました。
・「2回テキストを読む」という方法で暗記をしたグループ
・「テキストを読んだ後、何も見ずにその内容を紙に書く」という方法で暗記をしたグループ
結果は後者が2倍以上高い結果を出したそうです。
テスト直前にテキストを読んだのに全く覚えていない、テキストをラインマーカーで見やすくしたのに頭に入っていない、という経験をしたことはありませんか。
これは、ただインプットしただけで、「思い出す」というアウトプットの作業はしていないため、記憶に残らなかったんですね。
亜子先生の授業では、問題を解いたら「なぜその答えなのか」を説明してもらいます。また、最後に必ず「今日のまとめ」を生徒さんにしてもらいます。これによって、今やったことを思い出すというアクティブリコールができるのです。
いいことばかりに思える個別指導ですが、デメリットももちろんあります。
- 講師によって授業の進め方が全く違う
これはメリットでもありデメリットでもあります。自分にあった講師に巡り合うことができればメリットですね。ただ、膨大な講師からそのような先生を見つけるのは大変です。
どの講師も「合格させたい!」という気持ちは同じです。だからこそ、こだわりをもって指導にあたる講師も多く、生徒さんの希望を伝えたとしても、柔軟に対応してもらえるかどうかはわかりません。 - どんな場合でも絶対に日程が合うとは限らない
集団授業よりは日程の融通がつくとはいえ、講師と生徒さんの都合を擦り合わせる必要があるので、絶対に希望に沿ってもらえるというわけではありません。 - 情報量が劣る
大手予備校の強みである、小規模な自治体や募集人数の少ない職種・区分には対応できないと断られた生徒さんも多く相談にきます。個別指導の場合、多くても1年に数十人しか担当できないので、情報が少ないのは当然ですね。
ただ、過去の試験実績だけを元にした対策は注意が必要です。
自治体の採用担当も、こうした過去の試験情報が出回っていることは重々承知です。自治体としては、そのような情報を使って受験してくる人よりも、柔軟な対応ができる人、既存の情報を駆使して自分なりの有効な対策を考えられる人を採用したいと思うはずです。
そういった受験生を選別するため、一定期間で試験の出題を少しずつ変えて、柔軟に対応できない受験生をふるい落としています。
亜子先生は、どんな自治体・職種でも、ホームページや募集要項で公開されている情報を研究すれば、必要な対策は絞り込めると考えています。
誰も解けないような試験を課しても有用な人材は得られません。その自治体・職種に必要な人材を選別できるような試験を行おうとするのは当然ですね。
とすると、公開されている情報を徹底的に研究して対策を練ることが最も有効なんです。
これを受験生自身で行うのは難しいですが、十人十色の受験生を何人も個別指導してきた経験を発揮して、その生徒さんだけの対策を行うことができます。 - 孤独な戦いになる人が多い
もちろん、科目の疑問点だけでなく、スケジュール管理やモチベーションの維持の仕方など、どんなことでも相談できます。
でも、受験生同士で共有したい話もありますよね。
そういった横のつながりが持ちづらいのが個別指導のデメリットです。
個別指導オンリーで合格された生徒さんは、LINEのオープンチャットに参加したり、SNSで同じ志望先の仲間と繋がっていました。
集団授業・通信教育・個別指導のどれでも良い人
では、ここから冒頭の2通りの人のうち、どれを選んでもOKな人について説明します。
学力が平均以上の人、かつ勉強時間がたっぷり取れる人が当てはまります。
学力がある程度あれば、授業の中で基本的な知識の解説から聞く必要はありません。
予備校の授業以外に予習と復習の時間が取れれば、毎回の授業で知識をしっかり積み上げることができます。
集団授業や通信講座のデメリットはすべてクリアできてしまうので、あとはメリットを見て自分に合う形態を選んでください。
特に集団授業がおすすめな人
- 他の受験生と直接話して横のつながりを持ち、悩みや成果などを共有したい
- 小規模な自治体・採用人数の少ない職種・区分の情報を参考にしたい
- 学力は心配ないので、大人数の中で競争心を燃やしてモチベーションを維持したい
特に通信講座がおすすめな人
- 平均以上の学力と高い自己管理能力があり、自分で時間を決めて勉強したい人
特に個別指導がおすすめな人
- 学生時代の成績は常に上位で、現在もある程度公務員試験が理解でき、集団授業では物足りない人
- オーダーメイドで自分に合ったカリキュラムと授業を組み合わせてほしい人
個別指導一択の人
平均レベルの学力に満たない人は、メリットに惹かれて集団授業や通信教育を選んでしまうと、大変な目に遭います。
実際、個別指導を希望される生徒さんの大多数が一度このような経験をした人です。
授業開始3分で理解できなくなり、家で復習をしようにもテキストが分からないので基礎知識をネットで調べるところから始まる…
そうこうしているうちに取り返しがつかないほど遅れてしまい、授業に出席しなくなる…
考えただけで恐ろしいですね。
集団授業や通信講座では、小中学校の内容から説明してくれることはありません。つまり、このレベルが完璧にできることが前提となってしまうのす。
しかし、小中学校で算数や数学が苦手だった人は、当時から理解できていなかった、もしくは忘れてしまっていますよね。
個別指導なら、生徒さんの知識の抜けをしっかり見抜いて、基本知識からしっかり解説します。
公務員試験で必要な基本知識だけに絞って解説し、その知識を使ってすぐに過去問を解くので、同時にアウトプットもできて忘れにくくなります。
まとめ
平均以上の学力と高い自己管理能力がある人
→ どれでもOK!それぞれのメリットを考慮して選んでね。
学力が平均に満たない人
→ 個別指導で基礎から理解して合格レベルに追いつこう!
公務員試験対策をするにあたり、どの形態を選ぶか分かりましたか。
忙しいなか膨大な科目を勉強しないといけないので、いかに効率よく進めるかが大事です。
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